(6)実在の構造

※『存在と文化第一巻』「総序」43ページ。〈English〉

■以上により、過去が無意識であり未来が物質であることが確認されると、無意識の過去体験をそこに召喚し・そこにおいて未来の諸可能性たる物質知覚と対応づけ・判断し・その諸可能性の中から選択する所の現在意識とは、要するに、過去=無意識と未来=物質との出遭い・結合・統一それ自体であることが、明らかとなる。つまり、現在意識は、無意識の過去体験及び未来の物質的諸可能性の外なる、後二者から別個独立の、第三の存在の種類・内在時間の相ではなくて、後二者のみを構成要素とし、他の如何なる構成要素も持たぬ後二者の出遭い・結合・統一それ自体なのである。

■かくて最終的に次のような実在の全体構造が明らかになる。即ち、過去-現在-未来という内在時間の相は、無意識-意識-物質という存在の類別と全く同じものであって、それらの絶対に切れ目なき一つながりの従って無限の全体が実在の全体構造を与えるのである。

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