■私は、自分は無神論者だという日本人の中にも、相当に神道信者がいると考える。そして神道信者かどうかを判定する方法がある。不法投棄が行われていた場所に小さな鳥居を置いたら、ほとんど不法投棄はなくなったというニュースを聞いた。最近では、多くの自治体がこれを真似して鳥居型の設置物を置いているようである。
■不法投棄をしようと思ったが、その場所に小さな鳥居があるのを発見したので、不法投棄をためらうならば、その人は、ほぼ神道信者といってよい。 鳥居があれば不法投棄しないのは、鳥居および鳥居が表象する場所への神聖性に対する敬意からである。鳥居は神社の地図記号になっているように、神社の象徴である。
■なお、良識人ならば、鳥居があろうとなかろうと、不法投棄はしないだろう。郊外にハイキングに出かけて、薄暗い林の中に偶然小さな鳥居を見つけたので、思わず拝礼をする人は間違いなく神道信者である。
■神道の信仰心とはこうしたものである。神道を信じるかと言われても、教義がないから神道を信仰しているとは答えにくい。神道は、ある種の感覚・心情に支えられているものである。
☛神道とは何か