(6) 実在は意識によって生み出される

●(1)(2)(3)において、私たちが「世界」と認識しているものは、実は、私たちの意識が構築した世界であることを明らかとしました。私たちの有する「記憶」、「意識の統合作用」、「焦点化」、「意味付け」などの知的作用なしには私たちが世界と認識しているものは存在しません。

●また、(3)と(4)では、量子力学の知見から、「物質を観測すること」と「物質が存在すること」とは同じことであるという結論に至りました。(3)の「物質とは何か」では、量子は、観測(測定)を行う前はその状態はいまだ不確定、非局所的であり、観測を行うことによってその値を確定させることを確認しました。

●ここで、(1)(2)(3)の観点と(4)(5)の観点とを結び付けてみましょう。

●まず、私たちの認識において、「個人の意識」の範疇には属さない要素は、私たちの感覚器官に一定の刺激を与えている光エネルギー、空気の振動、空気中に浮遊する化学物質などとそれらを受容する目、耳、鼻、舌、皮膚といった感覚器官です。

●これらは(4)「観測とは何か」で検討した「観測される系」と「観測者」とに相当します。そして、(4)では、観測行為は、物質と物質との相互作用だけで説明することはできず、これとは別の「観測者」を想定せざるを得ない点を指摘しました。

●私たちの認識において、「観測者」にあたるのは「私たちの意識」です。そうすると、唯一意識の外側にあると思われていた「物理的刺激」やそれを受容する「感覚器官」も、結局のところ、私たちの意識によってはじめて実在化、定在化するものであることになります。

●すなわち、私たちが「世界」と認識しているすべての要素が、私たちの意識によって生み出されているのです。この世界は私たちの意識が創造しているのです。

●以上の点は、量子力学が明らかとした知見と合致しています。量子力学から、「物質を観測すること」と「物質が存在すること」とは同じことであるという結論が得られました。量子は、観測(測定)を行う前はその状態はいまだ不確定、非局所的であり、観測を行うことによってその値を確定させるのです。そして、上で述べたように、観測には、「観測者」を想定する必要があります。すなわち、量子力学の観点から見ても、「この世界は私たちの意識が生み出している」のです。

●このように、驚くべきことに、私たちが世界をどのように認識しているかというアプローチからの結論と、世界がどのように存在しているのかというアプローチからの結論とが合致しました。すなわち、「世界を認識すること」が「世界が存在すること」なのです。

●そして、この見方は、もうひとつ、これまでの常識とは相反する重要な観点も明らかとしています。それは、私たちが有する「記憶」、「統合作用」、「焦点化」、「意味付け」などの知的作用は、実は、この世界を形作る重要な構成要素だということです。この世界は、私たち個人の意識の作用と共にあるものなのです。

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