(2)「死ぬ」とはどういうことか

■私たちは死ぬとどうなるのでしょうか。肉体が滅びることは分かります。しかし、人は死ぬと「無」になるのでしょうか、「魂」は生き続けるのでしょうか。

■私たちは「死」を経験したことがないので、死後の世界については単に推測することしかできません。多くの人が、死ぬ間際になって、「死」の恐怖にさいなまれます。

■死が何なのか、死後の世界がどんな場所なのかは実際に死んだ人から話を聞くのが一番です。「死んだ人から話を聞く!?」と思われるかもしれません。しかし、死んだ人が死後の世界を語った本があります。エリック・メドフス『死は終わりではない』(きこ書房、2017年)という本です。エリックは20歳の若さで自死した青年ですが、死ぬ前に書かれた本ではありません。亡くなった後に、エリックがスピリット通訳者ジェイミー・バトラーを介して死後の世界を語ったものです。

■エリックは死後の世界(天国)をどのように語っているのでしょうか。

[トランジット]

■エリックは、銃で頭を撃った直後、自分の身体を高い場所から見下ろすことができました。いわゆる体外離脱です。それから起こる出来事もすべて冷静に眺めていました。死んだ後も意識は継続していたのです。

■エリックがその世界(天国)に移行するにあたり、2人の亡くなった親族がガイドとして助けてくれました。どうも、その世界への移行は、それをしやすくするために、各人に合った人たちがサポートをし、各人に合った方法で行われるようです。

■その後、エリックはライフ・レビューを体験しました。エリックは、自分が生まれてから死ぬまでに体験したすべてを、相手がどう感じていたのかも含めて強烈に追体験したのです。なお、その世界では、生前の行為が裁かれるということはありません。生前の行為はすべて許されるのです。

[その世界での認識]

■その世界において、エリックには身体はなく、彼はスピリット(エネルギー体)として存在しています。

■感覚については、視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚などを感じられますが、人間のような特定の感覚器官で感じるものではありません。存在全体で感じます。また、視覚については360度見渡すことができます。

■その世界では、見るもの、聞くものすべてが強烈であり、生きているときと比べて細部まで鮮明に認識をすることができます。また、感覚も鋭敏になります。

■その世界では、時間は直線に流れるものではありません。すべての時間が並行して折り重なっているかのように存在しています。

■その世界では、その瞬間、瞬間、焦点を合わせたものだけを認識します。
 その世界では、ある場所を思い浮かべるだけで瞬時にその場所に移動することができます。
 その世界では、その瞬間、瞬間、必要なものを自分で作り出すこともできます。

■その世界では幸せな感覚が持続し、喜びが消えることがありません。
 エリックは、その世界において無条件の愛に包まれ、自分が価値ある存在であることを確認しました。

[その世界の風景]

■その世界ではすべてが明るい鮮やかな色で塗られているように見えます。その世界は、こちらの世界とは比べられないほどカラフルで活気がありました。

■その世界には、この世にいるあらゆる生物、また、見たことのない生物がいます。極彩色の尾をたなびかせている蝶もいます。

■また、その世界では、地上で生を終えた野生動物や植物、昆虫などが天国に入るための門があります。そこでは自然に流れる川のように生物たちが美しくクロスオーバーしてゆきます。

■その世界で、エリックは神(光の存在)に出会います。神はすべてを生み出し、あらゆるものとつながっているエネルギーです。この存在の前でエリックは、無条件の愛と受容とを体験します。神のエネルギーに足を踏み入れると、あらゆる人生を体験し、あらゆる知識を獲得することになります。神とはまさに、すべて(全体意識)なのです。

[その世界における関係]

■その世界では、他のスピリットたちとすべてを共有しており、秘密もプライバシーもありません。エネルギーを交換するだけで、すべての感情と思考とを分かち合うことができます。

■その世界では、他のスピリットに対する憎しみや嫉妬などの感情はありません。親しみと信頼だけがあるのです。

■また、その世界では、すべての生物が友達のような親しい感情でつながっています。スピリットたちは、エネルギーの交換によって、動物であれ植物であれ、あらゆる生物とコミュニケーションをとることができます。

[成長]

■その世界において、エリックは、他のスピリットたちのガイドやサポートを受けながら成長していきました。その世界でも、私たちは成長を続けるのです。また、その世界では、心(感情)がすべてを支配します。エリックは、思考ではなく、心(感情)に従って行動するようになりました。
 
[スピリット・ガイド]

■その世界においてエリックは、地上の人たちを助けるスピリット・ガイドの仕事を始めます。スピリットたちは、それぞれの関心に従って、それぞれの仕事をしているのです。

■また、天国のスピリットたちは、私たちとコミュニケーションをとることができます。このコミュニケーションはエネルギーによって行われるものなので、私たちはそれを、「心の声を聴く」、「何かしら感じる」などとして受け取ります。また、私たちは、心の準備ができているときに(心が開かれているときに)、このメッセージを受け取ることができます。

                           ・・・・・・・

■あなたは、以上のエリックの話を信じますか。

■最初に述べたように、私たちは「死」を経験したことがないので、死後の世界については単に推測することしかできません。

■しかし、臨死体験に関心がある人ならば、エリックの語る世界が臨死体験者の語る世界と同じであることに気付かれたと思います。

■私は、エリックが語っている「その世界(天国)」は間違いなく真実の世界であると確信しています。このホームページでは、その根拠について様々な観点から検討したいと思います。

■また、あの世(天国)が、エリックが語るような世界であるならば、「今を生きる」とはどういうことなのでしょうか。この点についても考察していきたいと思います。

☞私たちが理解すべきただひとつのこと