なぜ、全体意識(全存在)は私たちに新たな挑戦をさせるのか

■先に私は、肉食動物が草食動物の赤ん坊を襲って食べるシーンは痛ましいが、この食物連鎖は自然の摂理であると述べました。

■全体意識(全存在)は、生命を実に多様にまた緊密な相互の関係性をもって築いてきました。しかし、これまでの知恵の総体である全体意識(全存在)が、食物連鎖の仕組みを作ったのはあまりにも残酷であるように思われます。なぜ、全体意識(全存在)はこのような仕組みを作ったのでしょうか。

■地球の歴史は、生命を誕生させ、それを多様化し、生態系を緊密化していく歴史です。これはすなわち、生物または生態系が発展していくことが、全体意識(全存在)の意思・目的であることを意味します。

■そして、全体意識(全存在)は、生命発展の仕組みを、生態系そのものの中に組み込んだものと思われます。すなわち、シマウマがライオンの急襲に備えて生き延びなければならないという状況そのものが、その個体または種の発展を促すのです。食物連鎖の残酷なシステムは、それぞれの種や個体を発展させるために、あらかじめ生態系の中に組み込まれたものと考えられるのです。

■この点を別の観点からみれば、生物には、生まれた時から常に「試練」が与えられているということです。そして、生物たちが行う困難を乗り越えようとする行動は、生物個体またはその種を一層発展させる原動力になるのです。

■また、私たちは、乗り越えるべき問題を解決したとしても、そこにはこれまで経験したことのない新たな状況、新たな課題が設定されます。ですから、私たち生物が生きることは試練とその乗り越えの連続です。

■創造・発展が新たな試練を作り出すというのは、大いなる矛盾のようにも思われます。しかし、生命を全体して発展させることは全体意識(全存在)の意思または目的ですから、人間も含めすべての生物は、試練を与えられ、それを乗り越えていくべき存在として存在しているのです。

■私たちは、自分の道を切り開いていく存在、自由に自己の人格を発展させる存在です。生きるとは、挑戦をし続けることなのです。

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