■6月はじめの明月院(めいげついん)です。北鎌倉駅から徒歩10分、鎌倉市山ノ内にあります。
■明月院のあじさいのほとんどは、「ヒメアジサイ」という品種で、その淡い水色から青みを増していく独特の色彩は「明月院ブルー」と呼ばれています。
■明月院では、約2500株のあじさいが植えられていますが、あじさいが植えられるようになったのは戦後です。
■物資が不足する中、参道を整備する杭の代用品として植えられたのがあじさいでした。あじさいが選ばれたのは手入れが比較的簡単だったからです。それが今では、誰もが知る「あじさい寺」として有名になりました。
■明月院は、山ノ内経俊が永暦元年(1160年)に、平治の乱で戦死した父俊道の菩提供養として、明月庵を創建したことに始まります。その後、康元元年(1256年)、鎌倉幕府五代執権・北条時頼がこの地に最明寺が建立し、出家生活をここでおくりました(現在、境内に時頼の墓所があります)。後に、時頼の子・八代執権の北条時宗が、蘭渓道隆を開山にこの地に禅興寺を創建しました。
■康暦二年(1380年)、関東官領・上杉憲方は寺院を拡大しました。この時、明月庵は明月院と改められました。
■明治初年に禅興寺は廃寺となりましたが、明月院だけは残りました。