■太平洋を眺めに伊豆半島最南端の石廊崎(いろうざき)まで来ました。岬には石廊崎灯台がありますが、その先に石室神社があり、さらに最突端に熊野神社の祠があります。その先は太平洋があるばかりです。12月下旬でしたが、西風が強いこと強いこと。
■最突端の熊野神社のご祭神はスサノオノミコトです。祠は、溶岩の波涛に抱かれるように建っています。言伝えでは、村の娘が漁師と恋に落ち、この場所で、神子元島にいる恋人に合図を送るために火を焚いたとされています。この伝承は、スリリングなこの場所によくマッチしており、何だか納得してしまいます。
■石廊崎の由来となった石室神社(いろうじんじゃ、いしむろじんじゃ)の社殿は、断崖絶壁の岩窟上にあります。現在の社殿は明治34年(1901年)に建てられたものですが、長さ12mの千石船の帆柱を土台としています。社殿の床の一部がガラス張りになっていて、帆柱を覗くことができます。
■石廊崎一帯は、海底火山から噴出した溶岩流でできています。マグマが海中に噴出すると、海水によって急激に冷やされ、こなごなに砕けた形で固まります。この溶岩の塊がその後隆起して石廊崎となりました。石廊崎の崖がごつごつしていて、たくさんの窪みがあるのはこのためです。石室神社はこの窪みを利用して作られています。
■石廊崎の西側は荒々しい断崖が続き、「奥石廊」と呼ばれています。ユウスゲ公園の展望地まで足を伸ばすと(写真下)、見事なまでに水平線が広がり、地球が丸いことを実感することができます。