■これは、私たちがこの世に生まれる際に、ワンネスの世界(全体意識の世界)の記憶をわざと消して生まれてくるからです。どうしてそんなことをするのでしょうか。ワンネスの世界(全体意識の世界)の知恵は、地球誕生以来の知恵の総体ですから、実に豊かで洗練されています。ですから、私たちは、その知恵に従って行動した方が正しい行動になることは間違いありません。
■しかし、同時に、ワンネスの世界(全体意識の世界)の知恵に従って行動することは、これまで全体意識の中に蓄えられた経験に基づいて行動したということです。もうその知恵は、ワンネスの世界(全体意識の世界)に存在しているものです。新たな創造とは言えません。
■私たちがこの世に生まれてくるのは、新たな経験、新たな創造を行うためです。私たちは、ワンネスの世界(全体意識の世界)でこれまで経験したことのない新たな経験をして、ワンネスの世界(全体意識の世界)に新しい知恵を加えるために生まれてきたのです。私たち自身に着目すれば、私たちの魂を一層成長させるために、私たちは生まれてきたのです。
■私たちは、ビギナーとして、各自が試行錯誤を繰り返しながら行動することによって、思いもよらぬ経験をし、思いもよらぬ創造を生み出します。そして、その創造は、ワンネスの世界(全体意識の世界)に新たな経験、新たな知恵を加えることになります。私たちがワンネスの世界(全体意識の世界)の知恵を携えて生まれてきたのならば、この世はもっと安定するかもしれませんが、新しい変化は生まれないでしょう。
■しかし、私たちは、「ワンネスの世界(全体意識の世界)の記憶」を消して生まれてくるので、ワンネスの世界(全体意識の世界)があることも、私たちがそこに帰っていくことも知らないでいます。
■おそらく、古代人は、ワンネスの世界(全体意識の世界)があることを感覚的に知っていたと思います。なぜなら、私たちは今、ワンネスの世界(全体意識の世界)と別の世界にいるわけではなく、単に身体によって、ワンネスの世界(全体意識の世界)とのつながりを制限されているだけだからです。私たちは今でも、ワンネスの世界(全体意識の世界)の一部なのです。私たちはその世界とつながっていますから、純粋な気持ちでこの世界を眺めれば、ワンネスの世界(全体意識の世界)とのつながりは直観的に理解することができます。
■しかし、現代人は、ワンネスの世界(全体意識の世界)とのつながりを知りません。なぜでしょうか。その理由は、現在社会は一定の思想を前提としており、私たちは、成長する中で、知らず知らずのうちに、その思想が刷り込まれていくからです。その思想とは、一言で言えば物質至上主義、あの世など存在しないという考え方です。私たちは、現代社会を生きる中で、現代社会にとって好都合な、物質至上主義、権力主義、競争主義、組織の絶対性などの考え方を刷り込まれていきます。言い換えれば、現代社会の根底にある誤った考え方を、知らず知らずのうちに身に付けてしまうのです。そして、俗世への執着が深まれば深まるほど、その傾向は強くなります。子どものうちは、前世の記憶を持った子どもが多数いることが報告されていますが、大人でその記憶を持つ者はほとんどいません。
■私たちは、元来、新しい創造を行うために、「無知」の状態で生まれてきました。しかし、現代社会の常識(偏見)が子どもの頃から意識的、無意識的に刷り込まれ、私たちは、現代社会が求める誤った考え方を信じ込み、ワンネスの世界(全体意識の世界)とのつながりを自分から断っているのです。
■ですから、現代社会にあっては、私たちは、私たちがワンネスの世界(全体意識の世界)の住民であること、また、身体から解放されれば、私たちはワンネスの世界(全体意識の世界)そのものに帰っていくという事実を知るべきだと思います。