【問10】地球外生命体は存在しますか。

■残念ながら、宇宙人はいません。なぜ断言できるのでしょうか。以下、説明します。

■46億年前に地球が誕生し、38億年前に海が安定して存在するようになり、35億年前ころに深海の中で最初の生命が誕生したと言われています。その後5億4000万年前のカンブリア紀に至り、爆発的に多種多様な生物が生まれました。生物が陸に進出したのは4億3500万年前から3億5500万年前にかけてと言われています。まず植物が、その後、節足動物、両生類などが陸に上がってきました。哺乳類が誕生したのは、2億2000万年前です。人類の祖先(ヒト属)は約200万年前に現れ、人類(ホモサピエンス)は40万年~25万年に誕生したと考えられています。

■さて、こうした進化の過程で、人類は、「自然に」進化していったのでしょうか。何者かの明確な「意思」「意図」のもとで創造されたのでしょうか。

■進化論の提唱以来、生命の進化については、自然淘汰、適者生存、突然変異などが唱えられてきました。これらの説は、進化の一部を説明できるかもしれませんが、極めて精巧に形作られている人間(ホモサピエンス)という存在全体の創造を説明するには、あまりにも雑な議論です。人間の身体の構造を見るとき、適者生存などによって進化していったと考えるのはナンセンスです。極めて卓越した知性を持つ何者かの「意思」に従って人類は創造され、改良されていったと考えるべきです。当然、これは人類ばかりではなく、すべての生物に当てはまります。

■ここでは、生物を創造した主体を、とりあえず「創造主」と呼んでおきます。

■生物を創造したのが創造主であるならば、生物が生存できる場所としての地球を創造したのも創造主と考えるのが妥当でしょう。地球を創造した者が創造主であるならば、地球が存在しうる宇宙を創造したのも創造主であると考えなければなりません。

■また、地球の生物の特徴として、実に多種多様な生物が、緊密な生態系を形作って調和を保ちながら存在しているという点を挙げることができます。創造主は、多種多様な生物を、緊密な相互関係に配慮しながら、それらを育む地球生態系全体として創造していったのです。

■ところで、創造主の創造は、最高の叡智を尽くして行われたと考えられます。全知全能なる創造主が、中途半端な形で生物の創造をするはずがありません。そうすると、創造主が別の星でも別の生命の創造をするということはないと考えざるを得ません。なぜなら、至高の存在である創造主が叡智を尽くして行われる創造は、唯一のものと考えられるからです。複数の星での生命の創造は、いずれかが最高の創造ではなくなってしまいます。そうであれば、地球上における多種多様な生物、生態系の創造は、地球以外では行われていないと考えるのが妥当です。

■なお、便宜上、創造主という概念を用いて説明しましたが、私の用語に従うならば、多種多様な生物と生態系を生み出したのは、「全体意識」です。次に、上の視点を「全体意識」の観点から、もう一度解説してみます。

■意識が実在を作り出しているという考え方に従えば、「全体意識」とはすなわち「全存在」です。臨死体験者によれば、ワンネスの世界(全体意識の世界)では、私たち(スピリット)は、時間と空間とを超えて、すべての生命と繋がることができます。これはまさに「すべて」とです。

■それならば、私たちは他の星の生命体と繋がることはできるのでしょうか。他の星に生命が存在したとしても、私たちは、時間的にも、空間的にも、その星の生命体とは何ら接点がありません(少なくとも同じ生態系は形成していません)。私たちは、地球以外の生命体とは繋がっていないと考えられます。

■全体意識は「創造」と「発展」とを本質的要素としています。全体意識は、地球上において、多種多様な生物を、緊密な生態系の中で創造、発展させてきました。この点からみて、地球生態系の創造と発展に寄与することのない地球外生命体は、そもそも存在していないと考えるのが自然です。

■以上のように、生物の構造という観点からみても、「全体意識」の構造という観点からみても、地球外生命体は存在しないと考えるのが理に適っています。

※沢登佳人『生命とは何ぞや—生と死の総合科学的解明』(現代人文社、2009年)204頁以下参照。

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