【問1】私たちの意識が実在(世界)を作り出しているとはどういうことですか。

■この意味するところは、私たちが世界を認識するということが、すなわち、世界が存在すること(実在)だということです。私たちの認識作用を離れて、外的世界が存在しているわけではないということです。

■「私たちの認識を離れた客観的世界は存在しない!?」 これを理解してもらうのは難しいと思います。私たちが一般的に理解している世界の認識とは次のようなものです。①外的世界は客観的に存在している、②私たちは、その外的世界を、眼、耳、鼻、舌、皮膚などの感覚器官によって認識している。

■しかし、実際には、「実在」は次のような構造をとります。①外的世界(物質)は「存在確率の波(存在可能性)」として存在している、②私たち(の意識)が、眼、耳、鼻、舌、皮膚などの感覚器官を通じてその世界を認識するとき、外的世界は「実在」となる(定在化する)。すなわち、この世界を実在化(定在化)するのは、私たちの「意識」なのです。

■とりあえず、次のように考えてみてください。外的世界が存在すると仮定します。私たちは、その世界を、目、耳、鼻、舌、皮膚などの感覚器官を通じて認識しています。そして、驚くべきことに、視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚はまったく別々の刺激であるにも関わらず、私たちの意識は、それらを統合して、ひとつの世界を作り上げているのです。私たちは、別個の外的刺激をひとつの世界にまとめ上げる能力を持っているのです。私たちが認識している世界は、外的世界そのものではなく、私たちの意識が再統合した世界です。

■そして、私の主張は、私たちが認識している世界こそが「世界」そのものであり、これを離れて、客観的な世界が存在するのではないということです。外的世界は「存在可能性の波」としてあり、私たちが意識(認識)することによって、「世界」が創造されるのです。

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